こんにちは!今回は漢方( 東洋医学)と食材との関係性についてと、これからの季節に知っておくべき健康管理法と、おすすめ料理について話していきたいと思います。
まず、漢方と食材との関係性ですが、皆さんが漢方と聞くと「葛根湯」や「芍薬甘草湯」などが思いつき、「何かの草や根っこ、乾燥させた野菜などをすり潰して混ぜた苦い薬じゃないの?」と思っている人が多いと思います。事実、市販の漢方薬は生薬といわれる原材料( 植物性・動物性・鉱物性) を加工して作られています。しかし、それは漢方のほんの一部の枠組みに過ぎず、本来は肉や魚、野菜、果物、調味料に至るまで、あらゆる食材が漢方に使われています。その際に大切になるのは、「一つひとつの食材が持つ効能や特性を理解すること」で、大きく5つのグループに分けることができます。その5つのグループとは「酸」・「苦」・「甘」・「辛」・「鹹( かん)( 塩辛い)」で、まとめて「五味」といわれます。簡単に説明すると、

「酸」とは酸っぱい味のことで、筋肉や汗腺・腸などを引き締める作用があり、ウメやレモン、みかん、サバ、ブリなどがこのグループに所属しています。
「苦」とは苦い味のことで、身体の余分な水分を排泄したり、熱をとることで精神の安定にも関わる作用があります。食材には、アロエや緑茶、ゴーヤ、ゴボウなどがあります。
「甘」とは甘い味のことで、筋肉や精神の緊張を緩める作用や喉の痛みにも有効であるといわれ、肉類やキャベツ、カボチャ、はちみつなどがこのグループに所属しています。
「辛」とは辛い味のことで、発散・発汗作用があるので風邪の時に有効で、シナモンやショウガ、シソ、ネギなどがあります。最後に、「鹹」とは塩辛い味のことで、硬いしこりを柔らかくする作用があり便秘などに良いといわれています。食材としては、イワシや昆布、シジミ、ヒジキ、みそなどがあります。
このように「五味」について説明しましたが、このグループ分けされた食材を身体の体調や症状、季節に合わせて上手に組み合わせることで作られた料理のことを一般に「薬膳料理」といいます。 次に、これからの春の季節に知っておくべき健康管理法についてですが、冬から春は特にホルモン代謝が変化しやすく、この変化に身体がうまく適応することができないと様々な症状が起こります。その典型的なものにアレルギー症状があり、じんましんや皮膚炎、花粉症や鼻炎などといった症状があらわれやすくなります。その他にも身体がのぼせやすくなり、精神的に不安定になりやすいといわれています。その際の健康管理の方法として、身体ののぼせに関しては、シジミなどの貝類やセロリ、トマトなどを摂り、お酒や塩分、辛い物、甘い物などは控えると良いといわれており、精神安定には、シソやユリ根などが効果的で、就寝前に足湯や足裏のマッサージをするとさらに良いといわれています。 最後に、先ほど説明したアレルギー症状の一つである「花粉症」について、オススメ料理を一つご紹介します。
それは「ショウガと山椒のくず湯」です。作り方は簡単で、くず湯の中におろしショウガと粉山椒を加えて混ぜるだけで完成します。ショウガと山椒には身体を温める作用と発汗作用があります。この作用が、花粉症の鼻づまりや喉の症状に効果的でこれらの症状抑をえてくれるそうです。ぜひ花粉症でお困りの方は試してみてください。

このように、季節によって起こりやすい症状や体調の変化など話してきましたが、これらの知識を食事に応用するだけで皆さんにも簡単に薬膳料理を作ることができます。日頃困っている症状の改善や、これから起こるであろう症状の予防にも効果的な薬膳料理を一度試してみてはいかがでしょうか。
今後も皆さんの健康に役に立つような情報を伝えていきたいと思いますので、気になったことがあればお気軽にご相談ください。
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